アカデミアの隅っこから

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選挙について

 参議院選が終わったけれど,相変わらず政治に疎いので,今回も30年生きてきた勘と縁で投票した。そろそろ勉強しなければと思う。遅まきながらようやく社会人の生活にも慣れてきたので,社会参加をせねば。

 近々,学会の支部長選挙がある。こういうのには運営している側の思惑があり,候補に挙がっている先生方のうち,この人に入れてくれ,と言われたりする。これがロビー活動。

 Twitter界隈では「恋人が選挙に行かない」と嘆いたツイートも散見されたが,どうしたって他人の意思は変えられないので,憂うだけ無駄とも思う。育ってきた環境で選挙の捉え方が違う。友人と選挙の話をしたが,「20歳の時に行ったきりだから,今回は30歳の記念に行く」と言っていた。また,ある友人は私含め大勢の前で「○○(党名)に投票した」と言う。義実家でも「○○(党名)に入れるなんて,どうのこうの」という話をよく聞いた。私が育った家では,選挙については「何日に選挙がありますね」程度で,特定の政党を批判するとか,選挙の投票先に関する話は一切しなかった。普段の会話や,見ているテレビ番組や,交友関係で少し見当がつく部分もあったが,投票に関しては,我々子供も,両親も,お互いにいち個人として尊重されていたように思う。

 投票に関して何も言わない代わりに,投票所には小さいころから連れて行ってもらった。成人してからは一緒に投票所に行くこともあった。内容については話さないが,家族にとって選挙は生活の一部だ。私はそんな家で育ってよかったと思っている。政治について勉強すべきことはまだ多いが,それでも個人の成長とその時々の考え方に合わせて,投票先を自分で決めること,を許されてきたからだ。

 私もそろそろ公約や経歴だけではなく,もっとマクロに政治をみて,そこから投票先を考えるようにしようと思う。

 

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 池田晶子,という哲学者の思想を頼りに生きている。約10年前に,家にあった『14歳からの哲学』という本を読んだ。以来,何か考えが行き詰るたびに,この本に帰ってくる。

14歳からの哲学 考えるための教科書

14歳からの哲学 考えるための教科書

 

  「私」を考えるとき,「考える」とはなにか,「善と悪」とはなにかを考えるとき,いつも考えてから「池田晶子は何と言っていたか」と本を開く。その時間が,このうえなく,たのしい。