アカデミアの隅っこから

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助教と助手

 私の勤務先の大学(というより講座)は、助教はまだ実験助手程度にしか見てくれない。他の大学なら、助教は自分で計画から実験までして、自分で論文も書いて、少し授業も担当するのだろうけど、うちの講座では実験助手や授業の雑用、講座の庶務が助教の役割である。

 私は誰でもできるような雑用も楽しいのだけど、ほぼ毎日「これは助教じゃなくて学位のいらない助手さんの仕事だなー」としみじみ感じる。文科省が国立大の助手を助教と置き換えて、教育業務にも研究にも主体性を持って参加できるようにしたのが2007年。うちの大学は、最近まで教授を助ける立場としての助教を雇ってきた。ゆえに助教に就く人はとくに学位も必要無かったらしい。そういう理由で、雇われた助教のほとんどは修了したての元・学生さんだった。ところが最近、大学の規定で、助教を雇うにも学位が必要となり、さらに論文等の業績があることを求めるようになった。なので、修了したての人は雇えなくなり、外部から雇うようになったとのことだった。移行からあまり時間も経っていないので、まだ助手としての仕事も据え置きで、どっちかというと教育業務は助手ができることがほとんどで、業績をポスドクを足したような立場になっている。

 助教を、ポスドクのように研究メインに使うか、教務助手のように教育メインに使うかは、その講座の歴史を見るとよくわかる。教務は自分にしかできない仕事ではないので、やり甲斐はあまり無い。だからこそ、研究も頑張れるのかなとは思う。